安心なブロック塀を造るための9つのチェック! 建築主様編
最近、自然災害や事件・事故も多く、安全・安心が社会の中で注目されています。
住宅建築ではブロックが塀や建築物に採用されていますが、特に塀の場合は設計者や建設業者が関わらない工事として、建築基準法などの基準に詳しくない職人さんが自分の判断で、見栄えと工事のやりやすさで造ってしまうこともあります。これが、欠陥ブロックを生むことにもつながります。「家は人生で最大の買い物」ですから、建築主も家つくりについて最低限知っておきたいことがありますね。
そこで、今回は安全・安心なブロック塀を造るための9つのチェックをご紹介しましょう!
ブロック塀にも造るための法律がある
建築基準法・日本工業規格、コンクリートブロック塀設計基準・壁構造配筋指針・建築工事標準仕様書・ブロック塀施工マニュアルによって、ブロック塀の材料・設計・施工に関する基準が定められていることを、まず知っておきましょう。
【安全なコンクリートブロック塀を造るために】
ブロック塀の工事中に注意する9つのチェック
(1) 地盤はやわらかくないか
地盤に合った基礎や根入れの深さが必要。さらさらでよく締め固められた良質な土を使う。
(2)基礎は大丈夫か
基礎は鉄筋コンクリート造りか、根入れ深さは十分か。35cm以上地面に埋める必要がある。掘った地面に砂利をまいたり、モルタルを流しこんだり、鉄筋を埋め込むことは絶対にしてはダメ。
(3)鉄筋の長さ
鉄筋の長さは、基礎の中から塀の兆分まで。鉄筋の直径は1㎝以上、間隔は80㎝以下となっているか。
(4) 横筋が入っているか
横方向の鉄筋は直径1㎝で、間隔が80㎝(一般には60㎝)以下となっているか。
(5)かさ木がしっかり下のブロックに留められているか
かさ木は塀の中に雨水が入るのを防ぎ、ブロックや鉄筋を保護する役目を持つ。かさ木はモルタル等で壁に固定する。
(6)控え壁の間隔が3.4m以下で、塀本体と一緒に造られているか
控え壁は、倒れようとする塀を防ぐ役目を持つ。塀の高さが1.2m以上になるときは、塀の長さ3.4m以内ごとに控え壁が必要。
(7)透かしブロックが、たて横方向に連続して使われていないか
透かしブロックは見た目や風通しのために必要以上に使われることがある。塀の強度が弱くなるので、連続して使わない方がよい。
(8)充てんモルタルを鉄筋のまわりや縦目地の空洞に充填しているか
充填モルタルは、鉄筋とブロックなどを、一体化させるもので、塀全体を1枚の壁にする役割。
(9)そのほか
設計図・工事記録、工事写真の提出の依頼をしたか
塀工事の設計図・工事仕様書が契約書に添付されているかを確認。
おうちのブロック塀を造る際の参考にしてくださいね。
参照資料:(社)全国建築コンクリートブロック工業会「あんしんなブロック塀をつくるためのガイドブック」より