今だから学ぼう。地震とブロック塀について
私たちが住む日本は地球を覆っている十数枚のプレートのうち、実に4枚ものプレートがぶつかる場所に位置しています。プレート同士の境界では地震が発生しやすく、そのため日本は地震列島とも呼ばれています。
近年発生した大地震で、家屋やブロック塀が倒壊しているシーンを多くTV等でご覧になった方も多いのではないでしょうか。自分たちの地域で地震が起き、ブロック塀の倒壊が子どもたちの通学路で起こったらと考えると恐ろしいですね。
これからブロック塀をDIYや業者にお願いして作ろうと考えている方は、ぜひ1度読んでみてください。
ブロック塀の耐久性は?
最近のブロック塀は、モルタルと鉄筋で補強されて作られています。法規を守って良い施工をされた厚さ15cmのブロック塀の耐久年数は30年程度と言われています。
昔のブロック塀は鉄筋が入っていなかったり、基礎がないものまであり、極めて横揺れに弱い構造になっているものが多く存在します。
法規を守って作ったブロック塀は、地震に対しては次のように考えられています。
・震度5強では、ほとんど損壊はない
・震度6強から7では人命に危害が及ぶ被害を生じない
今と昔でブロック塀の作りは違う?
ブロック塀は、今と昔では作りが全然違います。平成12年に建築基準法でブロック塀の構造基準が定められたため、それ以降に施工されたブロック塀はこの基準を満たさなければいけません。当然、これからブロック塀を作る人も、これを守らなければいけません。
では守るべき構造基準を5つ挙げます。
(1)基礎
鉄筋コンクリート造りにしてブロック塀本体と一体にする。最低でも35cm地中に入れる。形状はL字や逆T字がよい。
(2)たて筋(縦方向の鉄筋)
基礎としっかりつなぎ、直径1cm以上のものを40cm~80cm間隔で入れる。
(3)よこ筋(横方向の鉄筋)
直径1cm以上のものを80cm以下の間隔で入れる。
(4)高さ制限
ブロック塀の厚さが15cm以上なら高さは2.2m以下。ブロック塀の厚さが10cm~15cmなら高さは2m以下。
(5)控壁
横一列のブロック塀に対して縦方向に入れる補強のこと。長さ3.4m以内毎に設ける。
これから作る人は安全も備えた設計にしよう
これから外構でブロック塀を作ろうとお考えの人は、上で述べた法規を守りながら、自分の個性を取り入れた設計をしてみましょう。
(1)ブロック塀の高さを低くする
目隠し目的でなければ無理に高くする必要はありません。低い分、倒壊の危険は減りますし、コストも安くて済みます。
目隠しをしたい場合は、フェンスや生け垣を併用してみてはいかがでしょうか。デザインフェンスや、緑の生け垣があることで柔和な感じにもなります。
(2)立体的なデザインにする
ブロック塀を横一列にするのではなく、一定間隔で凹凸を入れるなどする。デザイン的にも単調さが無くなるし、耐久性もアップします。横一列にしたい場合は、敷地内側に控壁を一定間隔で入れましょう。
法規を守らないで作ったブロック塀がもし倒壊し、他人の財産に損害を与えた場合、損害賠償請求を受けることになりますので、これから施工をお考えの人は必ず守ってください。
環境に配慮し、変革し続けるコンクリートブロック製造メーカー「株式会社コモチ」